【虐待】を受けたことのない人たちへ【実際にあった話】【体験談】
千葉県野田市の小学四年生、栗原心愛さんが父親による虐待によって亡くなったというニュースが世間を賑わせています。
虐待
実際文字で見るだけでは、その残虐性や行われていることの想像がつきにくい人もいるでしょう。
特に、虐待とは無縁の生活をしていた人たち。
家族みんな仲良しが当たり前だった人たち。
たまには喧嘩もするけれど、でもやっぱり家族は大事だよね、という人たち。
頭のなかお花畑なんだろうなあ。
と、かつては思っていました(今は人のことなんて気にしなくなったからなんとも思わないよ!)。
今この記事を書いている、読んでいる間も、家族から虐待を受けている子供や、はたまた大人までも存在するのが事実です。
虐待は、それを受けた側の人格も変え、その後の人生をも変えてしまいます。
その歪んでしまった人格が、また新たな犠牲者を生む。
それほど虐待とは巡り巡って悪循環を生み続ける絶対悪なのです。
虐待には種類があります。
1. 身体的虐待
殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など
2. 性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など
3. 心理的虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV) など
4. 育児放棄(ネグレクト)
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など
こちらを参考にしました↓
朝日新聞デジタルの記事(児童虐待の通告、過去最多3万7千人 今年上半期:朝日新聞デジタル)によると、2018年の上半期(1月〜6月)に虐待を受けているとして児童相談所に通告した18歳未満の子供の数は3万7,113人で過去最多でした。
最も多かったのは、心理的虐待(全体の7割で2万6,415人)。その内、子供の前で配偶者を罵倒したり暴行を加える面前DVが、6割強の1万6,869人もの数の相談がありました。育児放棄(ネグレクト)は3,795人、性的虐待は111人でした。
厚生労働省の調査(平成26年(2014)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省)によると、平成元年の1989年の出生数は125万人だったのにも関わらず、2000年に入ると119万人。2005年以降は106万人〜と、もう110万人を超えることはなくなってきます。
18歳未満の虐待を受けている子達は、このくらいの年に生まれた子供たちでしょう。
虐待を受けたことのない人たちからはこういった児童相談所などは身近とは言い難い存在かもしれませんが、この3万7,000人という数字が事実なのです。
彼らは子供ながらに、色んなものをひた隠しにして色んなものと戦っているのです。
よく人に傷つけられた分、人には優しくなれる。涙を流した分、人に優しくなれる。と謳っている本やCMを見ますが、あんな風に育つことができるのはほんの一握りです。
親から虐待を受けた子供は次第に親を憎むようになり、それからこんな親を持つ自分を嫌いになります。そして自分を愛せなくなると他に当たり散らす。
こうなるともう立派な悪循環なのはお分かりでしょう。
私の知っている事例をお話しします。
あるところに六人家族が住んでいました。二人姉妹と、両親と、父方の両親。父親は大のお酒好きで、仕事から帰宅すると毎日ビールを飲んでは仕事の愚痴を家族に大声で撒き散らす。それは近所の家まで響き渡るほど。姉は教育に厳しい父親にいつも学校や塾の成績で怒られ、それを母親が必死に守っていました。ある時は家の家具を壊し、ある時は母親を怪我させて警察を呼び、ある時は床に唾を吐き散らす父親。母親はそれを黙って耐えて、治療して、掃除して。姉と妹は母親が父親を制している間はずっと祖父母の元へ逃げて、父親が寝静まるのを待っていました。
そんな生活が、姉が中学へ入る頃に変わりました。姉がとうとうそんな父親に耐えきれず、家庭で暴れるようになってしまいました。父親から今まで受けてきたストレスを暴力という形で妹に押し付け始めた姉。母親がいない間に、妹は殴られ、部屋を壊され、自分のものを壊され、口答えをすれば首を絞められ。それを母親に言うとまた殴られ。母親は父親から受けるストレスに加え姉から受けるストレスも増大していきました。
また、祖父母にも変化がありました。祖母が認知症になったことにより祖父母の関係も悪化してしまうのです。昼間に家に帰れば祖父母の大声での喧嘩、死ねの言い合い、夜には父親の怒鳴り声。妹にも居場所がどんどんなくなっていきました。次第に妹は、姉とも祖父母とも話さなくなり、ずっと一人でいるようになりました。
姉が高校、妹が中学になる頃、姉の暴言、暴動がやっと自分のせいで起こったものだと悟る父親。今度は父親がうつ病にかかってしまいました。ずっと家にいてふさぎこんでいる父親。一度自殺を図ってしまったので病院へ入ることへ。姉は一切病院へ出向こうとしませんでしたが、妹と母親は足を運んでいました。数年間の治療を経て、家に戻ってきた父親は、まるで別人かのように穏やかで、一切手の上げない、普通の人になっていました。
しかし、姉の方は幼い頃から受けてきた言葉の暴力、屈辱、ストレス、様々なものがあるのでそう簡単に父親を受け入れることができませんでした。直接言葉を交わすのも拒絶し、妹や母親ともまともに話そうとしません。
姉は、自分の家を敵だと認識してしまったのです。自分が否定された場所、自分を傷つけた場所、そう思ってしまったのです。結果、未だに妹とはほぼ口をきかず、母親や父親とも必要最低限の接触のみを行なっています。姉にアドバイスや口答えをしようものなら、100の罵倒が返ってくるので誰も迂闊に触ろうとしません。妹は徹底的に姉を嫌い、8-9年間まともな会話もせず、住んでいる場所や会社はおろか、連絡先も一切知らない状態です。
これが、虐待が生んだ結末でした。
虐待を受けたことのない人たちへ
こんな家庭は腐る程ある、というのが真実です。ただ、本当に虐待を受けている子供達は自ら話そうとはしないでしょう。
理由は人それぞれあると思います。
この妹はこの家庭内の出来事を人に相談しようとは思いませんでした。
自分が可哀想な人間だと思われたくなかったからです。悲劇のヒロインでも演じてるつもり?とか言われるのをめちゃめちゃ嫌がっていました。
ただ、きっと心愛ちゃんのように相談したいと思っている、助けを必要としている子供も沢山いるでしょう。
そういった子供たちにはすぐに手を差し伸べてください。子供たちは大ごとになるのを嫌がるかもしれませんが、大ごとにしてください。今の時代では、大ごとにすれば何かしらの助けがきます。世間が見ているからです。
SNSをフル活用してください。世間を巻き込んで、政府を動かす事件にしてください。
そうすれば、新たな犠牲者は出ないはずです。
もしこのお話の妹がこの時代に生きていれば、本人も大ごとにしてほしいと願っているでしょう。
自分たちは毎日ひどい目にあっている、身近な人だと相談しづらい。誰か知らない人、助けてくれ、と。
SNSはこの時代に生きているからこそ得られる特権というものです。あなたがRTやrepostするべきなのは、バカッターでも晒し行為でもありません。
人のSOSです。
これ以上新たな悪循環、犠牲者を出さないために個人が動いて子供たちを守りましょう。